かつての高校球児だった私が20年経って、改めて高校野球というコンテンツを見た時の関心ポイントは4つ。

1.母校は何回勝ち進めるか 2.家族の出身校や中学の同級生のチームはどうか 3.当時のライバルチームの動向  ◎4.当時強かった高校(私学4強)と今の勢力図の変遷についての興味

4についてが特に強く、マーケット視点やリクルーティング視点で見た時に、予算を元に才能のあるどのような選手を集め、どのようなオペレーション(監督や練習環境・練習方法)で鍛えてチーム作りをしていくか。

そのうえでどうやってモチベーションを上げていって自己研鑽や自信を付けていくか。20年前から私学の強いチームは概ねこのような方法をとっていると思います。ベストエイトに残る確率が高い方法なので。

しかし近年では、高校生の性質が変わってきたことで(グラブに香水をかけたり、日焼け止めを塗ったりする球児もいる)従来のやり方での勝率が落ちてきています。

オペレーション面では、情報化のおかげで身体作りの食事・トレーニング面や戦力・技術面の知識が取り易くなったことや、ケア面の向上、などで予算に頼らずにある程度の戦力を整えることが可能になった背景があります。

さらに、高校球児のマインドが変わり、地元の仲間達と一緒にやりたいとか、私学と公立高校との実力差が昔ほどじゃないことからコンディションや戦略を高めていけばそこそこやり合えると認識したからかもしれません。

近年の愛知高校野球では、優れた若い指導者が着任し、たまたまセンスの良い選手が地元に集まったことのタイミングが合って県大会の優勝をしたり、140キロ後半を投げるプロ注目の投手がいる高校が甲子園にいったりというケースが出てきています。

結論として、

高校野球で何がみたいか『弱小公立高校が予算の無い中、知恵と努力とチームワークで強者に勝つ物語』なのです。あるいは、何が今の選手の心を掴み、一丸となって勝利に向かうことができたかということ。

しかし、高校野球では未完成だからこそ予想外なことは十分起こりえるのですが、社会の中やクリエイティブの世界では全て才能だという考えを禁じ得ません。

そこそこの才能はやはりそこそこの結果しか出せませんし、戦略として自分の金ぴかの才能をいち早く見つけそれを磨き続けることでしか道は開けないと思います。

だからこそ、「いやもしかしたら」という「奇跡」を高校野球に探しているのかもしれません。