グラフィックデザイナーへの夢を支えた言葉達

憧れのデザイナーの方々が残した言葉がずいぶん修行時代は支えになりました。手帳に書き写し、毎日眺めるということもしていました。

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私の憧れのグラフィックデザイナー達

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【田中一光(たなか  いっこう)さん】グラフィックデザイナー

デザイナーは常に颯爽としていて、次の新しい計画に立ち向かっていくためには、あらゆる陰湿な感情は振り切ってしまわなばならない。苦悩は腹の奥深くまで呑みこんで、明日の陽光を全身で信じながらどこまでも生き生きと行動すべき職業なのかもしれない。『デザインの周辺』より

明日の陽光を全身で信じながら、という部分が特にいいですね。しびれます。

【五十嵐威暢(いがらし たけのぶ)さん】

グラフィックデザイナーで活躍したあと芸術家

アメリカの高名なデザイナー、ポール・ランドがあるときこういった。

 「大きな企業の大きなプロジェクトより、小さな企業の小さなプロジェクトの方が好きだ。デザイン案をひとつだけ考えば済むからね。自分が本当に良いと思うデザインを実現して、クライアントとデザイナーの両者がハッピーとなる。」

面白い仕事はお金にならない。お金になる仕事は面白くない。プロになると必ず経験することである。

「どんな小さな仕事の中にでも才能は開花する」と新米の僕を励ましてくれたのは田中一光さん。

プロとして自立したいのなら、面白い仕事に全力投球して評価される仕事を積み重ねていけば、自ずと良い結果が生まれる。早くそうしたほうが良いと若い人には勧めている。とりあえず、お金のことは忘れてみたら。良い仕事を積み重ねているうちにお金が後からついてくる。デザインの楽しさが実感できるよ。

『デザインすること考えること』より

ここも結局田中一光さんの言葉にしびれてますね。小さな仕事ばかりしていた私には珠玉の言葉でした。果たして私の小さな仕事の中には才能は開花したんでしょうか?人のを見て才能を感じたことはありますが。。五十嵐さんは他にもデザインの本質やデザイナーとしての誇りを守るような言葉を残しています。

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【原研哉(はらけんや)さん】グラフィックデザイナー

僕らは未来と過去の狭間に立っている。先に未来はあるが、背後にも膨大な歴史が創造の資源として蓄積されている。両者を還流する発想のダイナミズムをクリエイティブと呼ぶのだろう

デザインとは、ものづくりやコミュニケーションを通して、自分たちの生きる世界を生き生きと認識することであり優れた認識や発見は、生きて生活を営む人間としての喜びや誇りをもたらしてくれるはずだ

新しいものはゼロから生まれるものではなく外から取り入れるものでもなく平凡に見える自分たちの日常を独創的に覚醒させることから生まれるデザインとは、感覚を覚醒させて世界を感じ直していくことである

無駄な部分をとことん削ぎ落としてビジュアルに落とし込む原さんらしい言葉です。原さんは秀逸なデザインも去ることながら感覚的なことを文章化できる文才もお持ちです。そこが憧れる部分ですよね。

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私がデザインをしていた頃

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私がデザインをしていた頃、常に高い意識を持つことを忘れませんでした。

どのような環境であれ、環境の奴隷になってはいけないと思っていました。自分の思い通りにいかないと、環境のせいにしたり、経営者をディスったり、また上司を無能で汚いやつと陰口をたたいたりする人がいます。

もちろん私も聖人君主ではありませんので、悪口や陰口をたたいたりはします。ただすぐにそれが自分の実力だと思うようにしました。現実は全て正しいと思うのです。

その人達と同じように染まっていってしまうと、彼らのレベルにひきづられていってしまいます。自分で必死に努力しようとしなくなります。そういうのが嫌になったら、転職するのも一つの手だと思います。

ただ、実力がついてからです。実力がついたと自分で思えなければ、どこの場所に行っても結果は変わりません。クライアントの求める水準は変わりませんので。

転職をするなり、違う環境を求める等をする時に気をつけることは意識の高い、尊敬できる人の近くに行くことです。職場を変えられないのなら、専門の学校に行くなり、意識の高い人たちの集まる場所に行くべきです。私はどのような環境下でも自分の意識を高いところに保ち、自分のしてきたことを信じていましたし、自分が師事してきた方々の言葉を信じきりました。それが今に続いているのだと思います。そういう姿勢で努力をすれば、夢を叶えることもできるかもしれません。難易度は業種によって違いますので、一概には言えませんが。

世の中は広いです。

デザイン業界の末端を汚すレベルの私でしたが、この世界には上記のように高い意識を持った先達が間違いなくいる・いたと言うことです。彼らの言ったこと、考え方、行動を意識し続けたら、いつかその人たちのレベルで仕事をできることを信じてみてもいいのではないでしょうか。

最後に著者は不明ですが、あるインテリアデザイナーの残した言葉を紹介します。

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【著者不明】インテリアデザイナー

少しの勇気を持つこと 強い持続力を保つこと

今この瞬間を楽しむこと 

今、その時満たされないことを怖がってはいけない

遠くを見て超然とすること 物を造る人間にとって

幸せはその次にやってくる

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