著者が独断で選んだ、おすすめ野球漫画を3つ紹介します。

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『キャプテン』ちばあきお

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40代以上の人達にとって野球漫画の名作といえばこれ、という漫画です。

墨谷二中のキャプテンが谷口タカオを始めとして、丸井、イガラシ、近藤それら4人のキャプテンが主人公として入れ替わっていく不思議な構成になっています。

(※実は谷口くんの前に、谷口をキャプテンに抜擢した優れた先代キャプテンがいた)

それぞれ別のキャラクターとキャプテンシーを見せているので、そこが見どころの1つです。最近のTHE アスリートという野球漫画とは別物ですね~。その素朴さひたむきさが魅力です。

イガグリ頭の才能に恵まれない選手達が、東京多摩川という下町を舞台に厳しい練習と努力で強豪チームに勝っていく姿は読者を励まし、派手なシーンやキャラクターは出てきませんし、恋愛シーンもありませんが時々考えさせられるような人間ドラマを見せてくれます。追記ですが、時代感を感じさせてくれることうけあいです。

〈続編〉では、初期のキャプテン谷口くんが、墨谷高校に進み、盟友倉橋と出会い、仲間たちと一緒に甲子園という夢を目指します。ゆめなび的には、そちらの方がコンセプトとしては合致しますね。果たしてキャプテン谷口君の夢・目標は叶うのでしょうか。。

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『やったろうじゃん』原秀則

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野球漫画や青春漫画が有名な原秀則が描いた、本格的な高校野球漫画です。

元甲子園常連校でエースピッチャーだった主人公の喜多条と個性豊かな朝霧高校野球部が甲子園で優勝するまでの奮闘を描いた名作です。

この物語は元ピッチャーの喜多条と、ピッチャーとしてずば抜けた才能を持つ江崎の二人を中心に描かれています。元々江崎は肩に故障を抱えていて、物語が進むうちに江崎も喜多条と同じように怪我に悩まされるようになります。

物語の終盤に江崎の復活シーンが描かれますが、江崎の挫折中に彼を支えた彼女との悲しい出来事が彼を復活させ、人間的成長を促すきっかけになっていくストーリー展開が見ものです。

〈ネタバレ注意〉その後、監督の喜多条はしばらく野球から距離を取っていたが、再び情熱を取り戻し、地方高校へと赴任します。そこでも純粋な野球部員達の「目指せ甲子園(なんちゃって)」という言葉に彼の火が付きます。

その瞬間目が変わり「お前達の気持ちが本気なら。夢が夢じゃなくなる」「ついてくるか?」とまた次の夢物語が続く。そんな余韻で終わっていきます。何ごとによらず、「本気」度合いによって、目標・夢が叶うかどうかが決まってきますよね。

非常に胸熱くなる、正統派の野球漫画です。題名『やったろうじゃん』という言葉からは、逆境でも、壁が高くてもやったろうじゃんという意気込みで

挑めばなんとかなる。改めて読むと、そういう熱い気持ちが蘇ってきます。実は、今そんな気持ちこそ大事なのだと思う今日この頃です。

自分の道は自分で切り開く、おもねらない、挑み、抗う、なんていう思いを大切にしたいと思います。

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〈追記〉原秀則さんの他の野球漫画『ジャスト・ミート』は、最初ギャグ漫画っぽい雰囲気だったのですが、最後は熱血スポ根ものに変容していきます(笑)その辺りも見ものです。

※私が中学時代に友人から勧められたものです。

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『グラゼニ』原作:森高夕次 漫画:アダチケイジ

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今までにない切り口で、大人が楽しめる野球漫画です。

主人公の凡田夏之介は、計算高い上に自分を過大評価していない現実的思考の持ち主でできるだけ長くプロ野球の世界で生き抜くことを戦略的に考えています。

  

「プロ野球のグラウンドには、ゼニが埋まっている」という視点で、登場人物のほとんどが

評価の尺度として年俸やお金で人を判断しています。そこがこの作品の面白いところですが、現実的な人生設計や将来設計をもとにプロ野球という限られた、大金を稼ぐ職業を見ています。

そうすることで、プロ野球の世界の特殊性が際立ち、読者により面白くプロ野球の世界を見せています。

現在連載中の漫画ですが、凡田夏之介の年棒も一億円に迫るぐらいに出世し、奥さんや子供も生まれた状態で

物語は進行しています。今後の展開が楽しみな作品です。

 

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野球を題材にした漫画は、いつの世でも人気がありますね。またの機会に、違う漫画も取り上げたいと思います。

現在熱戦中のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本チームの活躍に期待したいですね。

個人的には、筒香選手、菊池選手、菅野投手、千賀滉大投手(著者の高校野球部の後輩にあたります)