AI(人工知能)時代は、果たして夢の世界になるのか?

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私達の生活に劇的な変化をもたらすと言われている、AI(人工知能)という技術がこの先どんどん進化していくと、私たちがAI(人工知能)という技術とどう付き合っていけばいいのでしょうか?

夢のある世界になるのか、それとも。。

これからもAIやIoTなどの夢のある最新技術について書いていきたいと思いますが、まずは基礎的な内容について解説します。

「AI(人工知能)が人智を凌駕する時代について」━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【AIが人智を超える?】

近い将来、AIが人間の知能を超えるシンギュラリティが起こる、と言われています。 (シンギュラリティとは)技術自体が自律的に改良を重ねることが可能になり、 人間からはその進展が予測不能なほどに技術発達が加速し、人間の理解を超えて知が蓄積される現象のことを言います。

AIがシンギュラリティを起こすと規定すると、再帰的な自己改良技術が必要になります。それは、AI自体が獲得した複数の知識を組み合わせてそれを元に自己改良を継続的に行うことを言います。

これまでは人間がAIを開発すること自体がAIの限界を規定していましたが、あらゆる面で人間同様の知能を持つAIが実現された場合、そのAIが新たなAIを設計することになり休むことなく高速な改良が継続されることになります。このような技術進歩の主役が人間からAIに交代することでシンギュラリティが起こるようになります。

 

【AGIの開発】AGI(artificial general intelligence

近年、深層学習(ディープラーニング)技術によるデータからの表現学習により、幼児のようなパターン認識や運動生成能力を持つAIが実現され、真の言語理解以外の知能については、 課題ごとに特化すれば人間を上回りつつあると言われています。

残された人間並みのAI実現に向けた課題は、汎用性だと言われていますが、AGI(artificial general intelligence)汎用性人工知能の開発は2015年頃から世界的にペースが早まり、比較的近い将来に人間の知能を包括的に凌駕する可能性が高まっています。

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【シンギュラリティが起こった後の世界はどうなる?】

シンギュラリティ後は、強力な知能で生産性が向上するために、人類がその恩恵を享受できる世界が訪れます。一方で、AIが自ら人間のように世界を理解できるようになると人間にとってのデメリットも浮上してきます。例えば、人としての尊厳の喪失や兵器など不適切な利用を誘発することにも繋がりますし、過渡期には職業の喪失による経済格差の拡大などの問題も考えられます。

物理学者スティーヴン・ホーキング博士がロンドンで開催されたツァイトガイスト2015で発言した「100年以内にロボットの知能が人間の文明を終わらせる可能性がある」という考察はこれからの人類にとって非常に大切な観点だと思います。

このようなAIを元にした人類にとって大きな変化に対応していくためには、 AGI技術者が進展状況を積極的に開示し、倫理学、哲学、経済学、法学、政治学などの専門家や広く市民を巻き込み人類とAGIの共存する未来像を議論していく必要があります。

そして、

伊藤穰一MITメディアラボ所長は、AI(人工知能)についてこう語っています。「人工知能の道徳的なアプローチが大切で、人工知能技術を限定的な開発者グループが担当するより、倫理学者、法学者たちと協業し、人工知能に対する理解を得なければならない」と。また、「マイクロソフトのエクセルが複雑な財務業務を解決するためのプラットフォームとなったように、人工知能が問題を解決するソリューションではなく、問題解決を支援するツール=プラットフォームにならべきだ」と指摘しました。

最後に、

人間の知を凌駕するようなAI(人工知能)の発達は、人間の生活を豊かにしていくことにもちろん繋がりますが、一方でこれまでの人間とAIとの関係性の中で想像できなかったような悪いシナリオを考えていく際には、専門家だけでなく一般市民も含めた、倫理的観点や長い時間をかけた議論が必要になってくるでしょう。